今回の記事は一見、
歌と繋がってはないようにみえますが実はかなり繋がってます。
このことを知っておくというか、
常に肝に銘じておくと歌に限らず、楽器、全ての技能の上達スピードが上がるのでオススメです。
上達のチャンスは数秒で逃げる
もう何年も前の話です。
イベントの打ち上げで、ミュージシャンが沢山集まる飲み会がありまして。
ある打ち上げの場で
色んな方がいたんですが、
僕の隣には大先輩のプロギタリスト、
向かいには後輩のシンガーソングライターの女の子が座ってました。
この先輩は何年も第一線で活躍されてて、
著名なアーティストのツアーバンドの方。
つまり、
本で得た知識やネットを見て聞きかじった知識ではなく、実際に体験されたリアルな言葉が聞ける場でした。
レコーディングの話題に
前の席のシンガーソングライターの女の子がCDを作ったという流れから、レコーディングの話題になりました。
和気あいあいした自然な話の中、
先輩ギタリストのアドバイスに、
女の子は「でも〜」と自分の意見を被せました。
確か2回くらいだったかな?
話す内容が一変
そしたら、ゾッとすることが起きました。
先輩ギタリストの対応が変わったのです。
女の子が、
「こう思うんですよね!」
「こうしたいんです!」
ってキラキラさせながらしてる発言全てに、
「いいねー」
「がんばってねー」
のみしか言わなくなりました。
顔は笑ってたので、場の空気は全然変わってなかったのですが、
対応がまるっきり変わりました。
途中、
女の子の発言には明らかに「それは浅はかでは?」的なのもあったのですが、
すべて「いいねー」で返してました。
いやいや、
全然「いいねー」って思っとらんやろ、と笑
先輩の変化に女の子は気付く様子もなく、
その後も楽しそうに話してました。
この経験は衝撃的でした
こわっ…と。
自分も気をつけなきゃと。
結局、
いい情報を持ってる人程、聞く気のない相手にはわざわざ話さないなんでしょうね。
あと、いわゆるチャンスってたった2回の「でも」で逃げてくんだなって。
ただ、
イコール後輩の子が悪いじゃないとは思います。
人の話を聞かないは、ひっくり返せば自分を持っているになります。
その能力は自分の言葉を発信するシンガーソングライターには必要な素質でしょうし。
だから悪いってわけじゃなくて、
各人の自由だと思うんですが僕は「勿体ないなぁ」に1票。
ボイトレのレッスンをしてて
ボイトレのレッスンをしてると、
この先輩の気持ちがよく分かります。
「高い声を出したい」とか、
「この部分を教えて欲しい」という理由で見えた時、
僕としては、
なんとかサポートしたいと考えます。
そこで、
自分の知識や経験から
「こうじゃないかな?」とか、
「この発声で組み立てていくのはどうだろう?」と提案をしますが、
それを、
「でも…」と却下されてしまうと、
正直もう打つ手がありません。
困ってるならサポートしたいけど、
話を聞いてあげるしか出来なくなるので肝心な対策が打てないのです。
なので、
僕は初回レッスンの時に「でも、でも」と言われる場合は入会をお断りしますし、途中でそうなった場合は別な先生についた方がいいのでは?と提案をします。
冷たいかもしれませんが、
その方がお互いにとって良い事だと信じてるので。
まとめ
自分の話も加えてしまったので、
調子に乗ってるように伝わったかもしれません。
ただ、
それは僕が伝えたかった本望ではなくてボイトレと繋げて例を挙げたかっただけです。
今回は2例だけしか紹介してないですが、
こんなことがあちこちで起きてると思います。
「でも」は、
誰かが苦労して手に入れた貴重な情報をみすみす手放す言葉。
歌、ボイトレにしても他の技能も、
質の高い情報を手に入れることが上達の鍵です。
どうか、
勿体ないことにならないよう。