地声・裏声ってワードは誰でも知ってると思います。
でも、
実際に喉の中でどんな筋肉が働いてるか?
を知ってる方は少ないかと。
今回は、裏声系の筋肉について解説したいと思います。
参考にどうぞ。
裏声系の筋肉(前筋・後筋)
「裏声」を言葉で表現するとしたら、
こんな感じだと思います。
- 息っぽい声
- 柔らかい声
- 芯のない声
- 弱い声
- 小さい声
- 高い声
こんな声が発せられた時、
喉の中ではおおよそ二つの筋肉が頑張って仕事をしてます。
❶ 輪状甲状筋(前筋)
りんじょうこうじょうきん
喉の中の筋肉(内喉頭筋群)の中で一番有名でしょうね。
前の方にあるから前筋(ぜんきん)とも言われてます。
前筋の働き
- 声帯を薄く引き伸ばす
- 伸ばした声帯を緩める
ギターで言うなら弦を張るペグみたいなもんですね。
❷ 後輪状披裂筋(後筋)
こうりんじょうひれつきん
開大筋とも言われます。
この子は前筋の拮抗筋です。
拮抗筋ってのは、その名の通り反対の動きをする筋肉って意味です。
前筋が仕事をするためにも、
この後筋が支えてあげる必要があります。
その辺の詳しい説明は、この本が一番分かりやすいと思います。
(色んなボイトレ本あるけど、この本は順序立てて説明してくれてるから親切ですよ)
後筋の働き
- 声帯を開く(だから開大筋)
なんで裏声を鍛える必要があるの?
歌が上手く歌いたいと思ったら、
兎にも角にも
- 高い声がでる
- 音程がとれる
ですよね。
前筋・後筋の動きが悪いと、この二つは無理です。
高音を出すためには、
声帯を薄く引き伸ばす必要があります。
薄く引き伸ばされることで音程が上がるので。
音程を取るためには、
声帯を伸ばしたり緩めたりする必要があります。
声帯がしなやかに柔軟に動くほど音程が取れます。
つまり、
前筋の動きが良くないと高音は出ませんし、音程が取れないわけです。
そして後筋がちゃんとサポートしないと、前筋は思うように力を発揮出来ません。
そして、
この二つの筋肉を鍛えるためには「裏声を使うこと」が一番有効な手と言われます。
男性は裏声系の筋肉がサボりがち
ちなみに、
裏声系の筋肉は日常生活でサボりがちです。
男性の場合は特に。
真面目な性格とか、
あまり喜怒哀楽を表に出さないとか、
デスクワーク中心で黙ってることが多いとか、
が組み合わさると要注意です。
筋肉は使わないと衰えます。
長い年月をかけて動かしてない場合、
固くなって動きが悪くなったり、
脳が使わないと判断すればする程、動かし方そのものを忘れてしまいます。
当然歌いにくくなります。
ちなみに、
女性は男性に比べると日常生活の中でよく使ってます。
男性よりお喋りが好きだったり、
喜怒哀楽を表に出すことが多い、
声帯の質量が軽いなどの理由ですね。
ただ、
女性の場合は地声系の筋肉がサボりがちって現象があるあるです。
裏声系の筋肉を鍛える方法
正確にいうと、
鍛えるというより、柔らかくする、しなやかにする、刺激を与える、育ててあげるってニュアンスの方がいいかも。
裏声系の筋肉を刺激する方法には色んなアプローチがあり、
組み合わせ次第で強度や純度を変えれるので簡単にこれだーって言えませんが、
僕が基本中の基本として軸で使うものは「純粋な裏声」というものです。
「ピュアファルセット」や「息漏れの多い裏声」「芯のない裏声」とも言われたりしますが、厳密に言うとそれぞれ違います。
あとは、
「裏声の吸気発声」も分かりやすく、やってて面白いので独学ボイトレにオススメです。
やり方はググってもらえば色々出てくると思います。
厳密に言うと、
ボイストレーナーによっても解釈やデモの音色が違ってくるのですが、
とりあえずこの二つを頑張るだけでも数週間で変化が出ると思いますよ。
こちらの本もオススメです。
トレーニングの注意ポイント
ただ、一つだけ気をつけて下さい。
「高音を出すためには裏声を出せばいいのか、おっしゃー!」
と、裏声のトレーニングばかりやると、
発声が偏って、声が掠れたり、裏返りやすくなったり、低音が出にくくなったりします。
発声はあくまでバランスなので、
ちゃんと地声も使ったりしながら、少しずつ慣れさせていってくださいね。